灼熱蛍

好きなように書く

ビールが美味しく感じないという画面の前のそこの貴様

そろそろあの季節がやってこようとしている。

昼夜問わず常に暑い地獄のような季節。

そう、夏だ。

夏がやってくる。

夏は暑い。

半端じゃなく暑い。

 

俺は寒さにはそれなりに耐性があると自負しているが暑いのは駄目だ。

寒さは洋服を着込むなり布団にくるまるなりで手軽に対策ができる。

だが暑さは駄目だ。

暑さに関しては対策のしようがない。

服を脱ぐのにしても限界がある。

仮に素っ裸になったとしても真夏の暑さには到底太刀打ちができない。

というよりも素っ裸はむしろ暑い。

特に寝るときなんか最悪だ。

布団へ対して直に肌が当たる分服を着ている時より暑さを感じる。

なので夏はどうしても扇風機やクーラーといった防熱対策用の文明機器が必要となってくる。

電気代が嵩むので財布にも優しくない。

俺は夏がそこまで好きではない。

 

だが夏にも確実にこれだけは素晴らしいと言える点が一つだけある。

それはビールがより旨く感じられることだ。

ビールは旨い。

キンキンに冷やしたビールをこれまた冷やしたグラスに注ぐ。

するとどうだ。

もう半端じゃなく旨い。

言葉では言い表せない程に旨い。

 

決して俺の語彙力が貧困ゆえに言葉が出ないというわけではない。

夏に飲むキンキンに冷えたビールの旨さを語れと言われれば、四百字詰め原稿用紙を軽く七枚は消費する程の文字を羅列することができるだろう。

だがそれをこの場でやってしまうのは何か違わないだろうか。

俺は違うと思う。

なのでこの場で夏に飲むキンキンに冷えたビールがいかに素晴らしいかということについて語りはしない。

そもそもこの記事で語るつもりの本題は夏に飲むキンキンに冷えたビールの旨さを語ることではない。

この記事の本題は、画面の前で俺の記事を読んでいるビールが美味しく感じないという奴に対して物申したいというのが本題だ。

なのでいつものように些か前口上が長くなってしまったが本題に入る。

 

ビールが美味しく感じないという画面の前の貴様。

安心しろ。

貴様は間違ってはいない。

ビールを愛飲している奴はその辺にゴロゴロいるが決して万人に愛される飲み物ではないと俺は思う。

独特な苦味が嫌いという奴も多くいるだろう。

正直最初は俺もそうだった。

 

というよりは今もビールの苦味はそこまで好きではない。

今は昔よりもあの苦味が多少好きになったがそれでも好物かと問われた場合Noと答えるだろう。

特に温くなったビールなんざ飲めたものじゃないとまで思っている。

飲み会で上司から無駄に長い話を聞かされてそのせいで温くなったビールより不味い飲み物はないと断言できる。

俺が好きなのはあくまでもキンキンに冷えたビールだ。

キンキンに冷えたビールを一気に喉へ流しこんだ時の、月並みな言葉で言えば喉越しが好きなのだ。

油ものを食べた後に流し込むと特に旨く感じる。

温くなったビールは一気に喉へ流し込んでも苦味が主張してくるので俺も好きじゃない。

 

だがキンキンに冷えたビール、アレは旨い。

冷えたビールじゃない。

キンキンに冷えたビールだ。

冷凍庫で一時間~一時間二十分程冷やした状態がいい。

 

冷蔵庫じゃなくて冷凍庫、一時間と少しというのが重要なポイントだ。

二時間以上冷やしてしまったらシャーベット状になってしまうので気を付けろ。

アレは逆に不味い。

 

ビールは500ml缶じゃなくて350ml缶だ。

サッポロの黒ラベルアサヒスーパードライがいい。

サッポロは他ビールと比べて苦味が弱い気がするので飲みやすい。

スーパードライはなんか喉越しがいい気がする。

まぁ大差はないので好きなメーカーを選べ。

 

冷凍庫で一時間程キンキンに冷やしたビールを同じく冷えたグラスに注いで飲んでみろ。

グラスがないならコンビニとかに売ってるプラスチックのコップでもいい。

とにかく缶ビールを別の容器に移すというのが重要だ。

理由は分からないがそっちの方が旨く感じる。

 

グラスもビール同様冷凍庫で冷やせ。

冷やすのは十分くらいでいい。

冷やしすぎるのは駄目だ。

グラスは別に冷蔵庫でも構わない。

自分の好きな方を使え。

ビールを冷凍庫でキンキンに冷やすということは必ず守れ。

 

そして準備が整ったら勢いよく喉に流し込め。

全部飲むのはきついと思うが半分くらいは頑張って飲め。

どうしても無理ならせめて1/3くらいでもいい。

お上品に一口だけ飲むなんて真似は絶対にするな。

ビールの味が嫌いだというのならなおさらするな。

アレはビールの味が好きな奴だけがやっていい飲み方だ。

 

ガーッと一気にビールを流し込む。。。するとどうだ。

自然と声が漏れるはずだ。

声が漏れないって奴は無理やりにでも出せ。

アーッでもカーッでもどっちでもいい。

自分がこれだと思った声を出せ。

声の大きさも気にする必要はない。

部屋中に響く声量でもいいし自分にしか聞こえない囁くような声量でもいい。

とにかく声を出すことが大事だ。

なぜ声を出すのが重要なのか?

それはビールを一気に流し込んだ後に声を出すとなんか旨い飲み物を飲んだ気になれるからだ。

プラシーボ効果みたいなものだと思って構わない。

なんか旨い飲み物を飲んだ気がする。

このように思うことが重要だ。

 

ビールを一気に流し込んだ後アーッだかカーッだかの声を出す。

するとどうだ。

なんか旨く感じないか?

ここで言う旨いは味のことではない。

雰囲気だ。

なんとなく旨い物が喉を通り過ぎた気がすると思えればそれでいい。

なんとなく旨い気がするなという雰囲気が重要だ。

もしもキンキンに冷えたビールを飲んで旨く感じることができたのなら貴様はビールを美味しく飲めたということになる。

 

上でも書いたがビールは苦い。

俺もビールの喉越しは好きだがどちらかと言うと味は好きじゃあない。

今回書いた飲み方はビールの喉越しを最大限まで高めてビールの苦味を最小限まで感じなくさせる飲み方だ。

ビールはキンキンに冷やすと苦味が薄れる気がする。

そして苦味が薄れたビールを一気に流し込むことによってビールの苦味が舌に付着しないようにするという言わば荒業のようなものだ。

正直ここまでしてビールを飲む必要はないかもしれない。

だがキンキンに冷えたビールの喉越しは素晴らしい。

特に夏場に飲むのはまた格別だ。

なのでもしも画面の前にいる貴様がビールの苦味が嫌いだと言うのなら今回の飲み方を試してみろ。

喉越しの素晴らしさだけは保証する。

味は知らん。

ただこの飲み方には一点注意点がある。

それはキンキンに冷やしたビールを一気に喉に流し込むという危険な飲み方をするため酔いが回るのが早い。

アルコールに耐性がないって奴は注意が必要だ。

350mlの缶ビール二、三本なら問題なく飲める程度には酒に耐性がないといけない。

一本で酔いが回るような奴にはオススメできない飲み方だ。

 

長々と語ったが俺が言いたいことは、キンキンに冷やしたビールを一気に飲むと旨く感じるからやれる奴は試してみろってことだ。

酒が弱い奴やそもそも体質的に飲めない奴はやらなくていい。

むしろやるな。

そこまでしてビールを飲む必要はない。

だがもしも酒にそれなりの耐性があるのにも関わらずビールが嫌いで、キンキンに冷やしたビールを呷ったことがないのだとしたらとりあえず試してみろ。

その時貴様はビールの旨さに気付くはずだ。

だがそれで駄目ならもう無理だ。

少なくとも俺には貴様がビールを旨く感じるようになるビジョンが見えない。

時間が解決してくれることを祈りながら不味いと感じるビールを飲めとしか言いようがない。

兎にも角にもまずは試してみろ。

話はそれからだ。